「命は待ってくれない」――。３０日の参院本会議で成立した肝炎対策基本法。与野党対立で一時は国会が混乱状態に陥りながら、 成立にまでこぎ着けた背景には、薬害肝炎被害者で民主党の新人議員、福田衣里子さん（２９）（衆院長崎２区）の奔走があった。 　福田さんは、出生直後に投与された血液製剤でＣ型肝炎に感染。２０歳で検査を受けてその事実を知ってから副作用が強いインター フェロン治療を受けながら、九州原告団代表として国や企業を相手に訴訟を闘った。今夏の衆院選で激戦の末、自民党の重鎮、久間 章生元防衛相（６８）を破り、全面救済に向けた活動の舞台を国会へと移した。 　初登院した９月１６日に早速、厚生労働省から現状の説明を受けると、党国会対策委員会や衆院厚労委員会の幹部に理解を求める 働きかけをスタート。来年の通常国会への法案先送りを勧められても、救済を待つ約３５０万人とされる肝炎患者の願いを胸に「（危険な 状態にある）命は待ってくれない。秋の臨時国会でないと」と食い下がった。 　議員立法を原則禁じた民主党の小沢一郎幹事長には「絶対禁止というわけではないでしょう」という思いで直談判。自らが肝いりで擁立 した新人の熱意に、小沢氏も「与野党一致ならば」と折れた。国会の混乱で成立が不透明になっていた２２日には、地元の長崎県諫早市 の祭り会場でマイクを握り、「政局で法案が流れないよう頑張る」と必死の決意をにじませた。 　「夢のような気もする。この時が来たと、うれしく思った」。３０日午前、参院傍聴席から法案成立の瞬間を見届けた福田さんは、目に涙を 浮かべ、議場に一礼。記者団に「これから予算実現に向けて頑張る」と表情を引き締めた。 　「肝炎患者救済の法案成立に向け、即刻取り組んでいきたい」 　３か月前、初当選の歓喜に包まれて誓った「原点」を貫いた。 ソース（読売新聞）　 写真＝肝炎対策基本法案の成立を見守る福田衣里子議員（左）ら原告団（３０日午前１０時２０分、国会で） 関連スレッド 【政治】エリちゃん、初の大仕事！肝炎対策基本法が成立へ…「豪腕」小沢幹事長に直談判、新人ながら度胸と行動力を見せた福田衣里子議員

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